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日々の日常的なことから、アニメなどの感想を取扱おうかな、と考えています。
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修正

2nd start:溜め息―breath―

銃声が響き、戦慄がはしった。

背中が、痛い。
そう感じる部位からして左肩胛骨。
心臓のコースか。

にしてはまだ生きてる。

血も流れてない?
でも確かに痛みはある……

何で死んでない?

「ペンダントで助かるとは強運な奴め」
明夜が立ち上がりながらそう言った。

ペンダント?
まさか、投げたあのペンダントが?
そんなに強度あったのか、あれが。

横に落ちていたそれを見れば、銀色の楕円形の中心にある青い宝石。
それには全く傷はない。
むしろ宝石に光が宿っている。

こっちに来てから持ってた物だが、不思議なものだ。

「翼、大丈夫か?」
「アルフォースブイドラモン……」
気がつけば助け起こされていた。
そして、メタルガルルモンは明夜を連れて逃げていた。

いや、“逃がした”が妥当だろうか。
恐らく朱矢とも決着をつけさせる為だろう。
元々殺す気はなかったようだし……

「お前ら、強いな」
「是非とも明夜様の救出にご協力を願います」
スカウトされるのは初めてだな。
だけど、返事は決まってる。

断る。
だが、秋谷が“様”で呼ぶということは何か関わりがあったのだろう。
それはそれで何か断りにくい。
というよりも気になる。
だけど―――

「悪いけど断らせてもらう」
「……デジタルワールドが破滅するとしてもダメ?」

事情が変わった。
それは困る。

俺達が今までに助けてきたデジモン達の命も消える。
そうなったら俺の生きる意味がなくなる。

なんとしてもそれは嫌だ。
だけど、俺には今やりたいことがある。

「だけどなぁ……」
「翼、協力ぐらいはいいのではないか?」
…………。
アルフォースブイドラモン……。
たぶんロイヤルナイツとかいうのが気になってるんだな。

だから情報を仕入れたいと……
まぁアルフォースブイドラモンがそういうなら俺に否定はできない。
でも、だからこそ別々の道で進むべきだ。

「なら、相手方の情報をくれないか? 旅先で会ったりしたら止めとくから」
朱矢も納得したようだ。
だけど話すのは秋谷。

その方が良かっただろうとは思う。
朱矢ではおおまかすぎるだろうから。

ただ、時間だけはかかる。
その分、ペンダントの強烈な衝突の痛みが襲い続ける。
だけど、思っていたよりは痛まない。
気絶するほどの痛みにはなると思っていたが運が良かったんだろう。

「相手方の目的は七大魔王の復活。七大魔王が何かはよくわかりませんが危険なのは確かです。そして、その目的を達するために当てられているのがデュナスモンをパートナーとする氷鷺 祭(ひさぎ さい)とロードナイトモンをパートナーとする秦華 崇(はだけ すう)の二名。この二人が厄介でパワーとスピードのコンビネーションを使います」
長い。
けど、相手方の名前だけだと……
アルフォースブイドラモンに無言で同意を求める。

しかしアルフォースブイドラモンは『知ってる』というような顔つきだ。
なら心配ないな。
……けど、それ=ロイヤルナイツじゃないのか?

「そして、その二人の邪魔をさせないために各地で破壊工作をしているのが複数います。明夜様もその内の一人です。それ以外にはグランクワガーモンと狩森 雄矢(かりもり ゆうや)、ムゲンドラモンと生田 星霜(いくた せいそう)、ピエモンと結城 樹(ゆうき いつき)、メタルシードラモンと中瀬 月(なかせ ルナ)、ピノッキモンと烈握 氷童(れつあく ひどう)、デスモンと乙 一(おつ はじめ)など究極体ばかりです」
本当に究極体ばっかだな。
しかも名前が酷いのいるな。
名付け親もきっと病んでるんだろ。
マイナー好きだったのかもな。

よく認められたとも思う……

と、そんな事気にしてる場合じゃなかった。

「ここからは自分達側なんですが、現在はエテモンをパートナーにしている猿瀬 音芽(えてせ ねめ)さん、キメラモンと小諸 智斗(こもろ ともと)君、ケルベロモンと石見 西霧(いしみ にしきり)さん、サイバードラモンと樟夢 勝(くすむ すぐる)君、ヤタガラモンと若桜 鷹華(わかさ たかはな)君がいます」
少ないんだな……
しかも完全体ばかり。
なるほど勝ち目は薄いな。

アレ……サイバードラモンと樟夢 勝?
そういやどっかで聞いたような……
いや、考えるのは止めよう。
何かいやな予感が……。

「と、私達の知っている情報はこの程度です。では、先を急ぐのでこれにて」
気づいたらもう立ち去っていった。
二人とも自分のパートナーのウォーグレイモンの背中に乗っている。

何か、展開早くね?
何か戦争っぽいし……

だけどアルフォースブイドラモンには関係ないようだ。
むしろ明後日の方向だ。

「翼、少しワガママに付き合ってくれないか?」
「? いいけどどこに?」
…………。
返事がない。
言いにくい場所か?
それとも場所じゃないのか?
けど、今の会話で場所じゃないとなると……
やっぱりどっか行くんだろ。

「……EARTH of Mammon」
突然、英語?
マモン?
こんな会話になるなんて聞いてない。

いつから英語キャラになったんだ。
ていうか、どこ?
どういう場所?

「私がエグザモンと協力して強欲の魔王を封じた地だ」
ヤバそうな場所ってことか。

って魔王?
まさか、七大魔王の一体……

ということは七大魔王についてよく知ってるってことか?
それとも不意打ちをして……
いや、それはない。

「好きなようにして構わないよ」
「すまん」
何で謝る?
危険だからだろう。

何を今更。
死が恐くないとは言わないが、覚悟はある。
つもりだ。

だから、謝る必要などない。

一つ笑ってみせる。
それに対する返事は苦笑。

『仕方ない』という事だ。

「とにかく行こうぜ?」
「あぁ」
だが、アルフォースブイドラモンのスピードにかかれば例の場所も数分。
かなり体力を温存しながら数分だ。
とはいっても今日は結構な速度が出ていたが……

それほど重要だというのか?
その七大魔王というのは……?
それとも確認のためか?

「……どうやらまだのようだな」
「凄い荒野だな……。地平線が見えるなんて」
ん? よく見たら今いる所を中心にクレーターみたいになってる。
凹んでない部分は半径16㎞ぐらいか……
そんで凹みが最大3.87メートル……

造られたとしたらどんな衝撃だよ。
多分、元からこんなだったんだろ。
造られたんなら想像を絶する凄い衝撃があったはずだ。
そんなものがあったとは考えにくい。

「おや、やっとの思いで見つけた封印の遺跡に貴方が居られるとは……」
「我々ロイヤルナイツを裏切った古代種風情がどの面下げてきた」
「あら、あれがアルフォースブイドラモンなのねぇ~ん」
「我、叩き潰すのみ」
豪華に四人組か……
それにしても、太い声でカマ口調はごめんこうむりたいものだ。
けど、一人称が“我”の人間というのも珍しいような……
というか、リアルじゃそこまでいないよな?

そして、デジモンの方は白い竜みたいな……魔導士みたいな奴、でいいのか?
あともう一体は……桃色の鎧に黄色のリボン、金色の盾を持った見るからに派手好きそうな奴。

「デュナスモン……ロードナイトモン……やはりパートナーを持ったか」
「貴様もパートナーを連れているようだが、意味はないな」
ん? パートナーってそんなにでかい意味があるのか?
そもそも昔から知ってるような会話だけどどんな関係だったんだ?
見るからに良い仲ではなさそうだが……

それに、対称的だ。
見た目じゃなく性格が……

!……背中から嫌な気配が。

「待てぇい! そこに見えるはデュナスモンとロードナイトモンと見受ける!」
「勝、待て」
妙に芝居がかった口調と接続語のない漆黒の竜。
こいつらは……樟夢 勝とサイバードラモンだ。

前にあった事がある。
あれはそう、半年ほど前。

ピノッキモンに襲われてるヘカクルカブテリモンを助けようとした時。
その時に奴はきた―――


――半年前――

子供のような性格をしたピノッキモン……
大して強くもない人形風情が森の守護神と言われるヘカクルカブテリモンに勝っていたのには勿論訳があった。

「アハハハハ! クワガーモンが人質じゃ手も足もでないだろ!?」
そう、人質。
何でも旧友の転生後で、殺されたくなかったらしい。

そんな状況を見つけた俺は身を潜め隙を窺っていた。
いかにアルフォースブイドラモンといえども掴まれているものをとるのは難しい。
クワガーモンの顎を折るわけにもいかないし……

しかし、そんな状況にきたのが
「待てぇい! 人質とは卑怯なりそこになおれぇい!」
「勝、煩い」
空気を読まないというのはこういうのだろう。
本当に判断が一瞬遅れたらクワガーモンが殺されているところだった。

直後に動いたから良いもののハンマーはクワガーモンにあと5.87㎝で当たる所だった。
そして、その後もとどめというか、気絶させようとした首筋への攻撃も……
「トドメは俺に任せろ!」
などといって邪魔され。
挙げ句逃げられたり……

戦闘中ですら楽々避けられたものを庇いにきて逆にシールドで防がせられるし。
攻撃を外してこっちにくるわ。

邪魔なことこの上ない。
とんだ足手まといだった。
しかも終いには
「俺の名は樟夢 勝だ! 困ったら俺の名を呼ぶが良い!」
などと、失敗を謝るどころか偉そうに言って去っていった。



思い出した。
あの時のアイツだ。

この状況で出るとは厄介この上ない。
寧ろ、お帰り願いたい。

向こうがこちらを覚えていなさげなのがせめてもの幸いか。
まぁ二対二を一対一と一対一にできるのが最良策かな。

アルフォースブイドラモンは否定的か……
……何か意味があるのだろう。

しかし、二対一に持ち込むのはかなり難しいぞ……?
あの性格じゃぁ……

なら、その性格を利用して……。
アルフォースブイドラモンも賛成か。

「勝、七大魔王が西にいる早く行ってくれ」
「場所は森の中、Lost blaveだ」
ナイスフォロー、アルフォースブイドラモン。
これで嘘にはならなくなったな。

そして、これでハッキリした。
アルフォースブイドラモンは七大魔王の封印の場所を全て知っている。

それは以前封印した時にいたことを意味しているのだろう。
少なくとも朱矢や秋谷よりは詳しい。

「何!? 本当か? ならばここは引き受ける。早く行ってくれぇい!」
…………。
本当に空気読まないな。
苛つく奴。

邪魔なんだよ。
だけどここを任せるわけにはいかない。
足手まといなんだよ。

「話は、終わりか?」
そして不意にかかる声。
ずっと黙っていたデュナスモンが痺れをきらしたようだ。

これ以上は無駄か……
ならもう策は止めよう。

全て円滑に仕上げてやる。
但し、本気でやるしかないな。

「何を考えているのです、か!!」
後ろから!?

慌ててしゃがむが髪に掠った。
仕方ないな……。

「なかなかの反応ですが……」
目の前に怪しく光るピンク。
コイツもスピードだよりの型か……

キツいな……。
アルフォースブイドラモンほどじゃないけど俺には関係ない。

一応、人間何だからな。
速すぎればついていけない。

「スパイラル―――」
「俺の血に触れたら死ぬぜ?」
所謂脅し。
簡単な事に一瞬動きを止めた。

以外と素直な性格らしいな。
とにかく、この隙に逃げる。

デュナスモンと組み合ってるアルフォースブイドラモンに救いは求めにくい。
かといってサイバードラモンじゃ瞬殺。

「どうせ虚言であろう!」
「どうかな? ウィルスとか感染してるかもよ?」
「人間にウィルスが感染するなど有り得んよ」
殴りかかってくるロードナイトモン。
これなら避けられる。

1秒もないが、ギリギリ間に合う。
少し腕を使うがな。

どんなに力強かろうと、横からの力には弱いものだ。
止められないけど。

とりあえず、こんな時の為にナイフぐらいは持っている。
こんな所でやるとは……
俺は溜め息を吐いた。



――アトガキ――
グダグダです。

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プロフィール
HN:
時流
年齢:
32
性別:
男性
誕生日:
1992/12/07
職業:
学生
趣味:
小説を書く
自己紹介:
時流です。
突然、古臭い言葉遣いになったり、暴走します。
でも、最低限のマナーを守るようには勤めてます。
それに小説&絵をかきます。
どちらも下手ですが、頑張ってHPにupします。
よければ見てやってください。
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